狂牛病(BSE)情報1015 交感神経系でBSEプリオンが脳へ [平成阿房伝]
7月9日(月)12 Science Daily
牛の狂牛病は、中枢神経系で見つかるよりも早く広範に自律神経系に広がっている
牛スポンジ状脳症(BSEあるいは狂牛病)は、脳をスポンジ状にする牛の致命的な病気である。この感染しやすい病気はバクテリアやウイルスではなく、プリオンというタンパク質の変形(折りたたまれる)の伝播によってひきおこされる。感染から症状が現れる平均的な期間はだいたい60ヶ月とされている。初期の潜伏期間に関するBSEの病因はほとんど分かっていない。今までの研究では、中枢神経系(CNS)が感染した後に、自律神経系(ANS)に影響が出るとされていた。
8月発行のアメリカ病理学誌で、研究者はCNSよりも早くANSに感染が現れることが分かったと述べている。「われわれの結果は、BSEの初期の病因がどちらの経路もかかわっていることを明らかに示している。しかし同時ではない」と主任研究者Martin H. Groschupはいう。彼はドイツ、RiemsにあるFridrich-Loeffler-Institutに在籍している。
BSEの発症がわかるように、4ヶ月と6ヶ月の間の月齢の仔牛56頭に感染した牛のBSEを経口投与した。18頭の仔牛には、脳幹から採ったBSEに感染していないものを経口投与した。この研究では、BSEで自然に死んだ仔牛から集めたサンプルも含まれる。組織サンプルは腸からCNSそれにANSにわたり、感染後月齢16ヶ月から46ヶ月の間、4ヶ月毎に集められる。サンプルは免疫組織化学によって、プリオンの有無を検査する。BSE感染に反応しやすい実験用のマウスも使用された。
病気を発生させるプリオンタンパク質の明らかな蓄積は、ほとんど全ての腸のサンプルにみられた。BSEプリオンは、胸部、腰部に位置する脊髄の交感神経のANSにみられた。感染後16ヶ月で始まっている。さらに 仙骨の脊髄や髄質の副交感神経のANSでは、感染後20ヶ月でみられた。これらのサンプルのCNSの感染はわずかか、全くみられなかった。ANSの交感神経部は副交感神経部より早い時期の発症により広くかかわっている。臨床的な症状をみせる牛は、副交感神経系のサンプルより交感神経系により多く感染の兆候が現れる。脳幹にBSEプリオンが最も早く現れたのは感染後24ヶ月してからだ。しかし、感染後16ヶ月の1頭の牛の脊髄にみられた感染は、脳への経路が他にもあるのではないか、ということを示している。
「交感神経系の明らかな関与は、牛にBSEを発症させる重要な役割をしていることを物語っている。」とGroschp博士は記している。「にもかかわらず、この研究結果はBSEの初期の副交感神経ルートを仮定する以前の研究にも役立つ。」と。
研究結果は、BSEプリオンの脳への昇天する三つの神経経路があることを示している、重要順に交感神経系、副交感神経系それに脊髄である。「診断方法や食の安全基準に影響を及ぼす初期の潜伏期間での牛のBSE発症に光をあてた。」と。
ひとこと:牛の月齢30ヶ月以下に狂牛病はないという前提でEUやアメリカは行動している。日本で月齢21ヶ月の牛にBSE陽性反応がでたことは、不思議ではないことになる。交感神経系の経路からプリオンが脳に蓄積した。ということは、30ヶ月未満であれば狂牛病はないということにはならない。日本の全頭検査は正しい。が16ヶ月未満の牛は、BSE検査の対象から外してもよいということになる。
牛の狂牛病は、中枢神経系で見つかるよりも早く広範に自律神経系に広がっている
牛スポンジ状脳症(BSEあるいは狂牛病)は、脳をスポンジ状にする牛の致命的な病気である。この感染しやすい病気はバクテリアやウイルスではなく、プリオンというタンパク質の変形(折りたたまれる)の伝播によってひきおこされる。感染から症状が現れる平均的な期間はだいたい60ヶ月とされている。初期の潜伏期間に関するBSEの病因はほとんど分かっていない。今までの研究では、中枢神経系(CNS)が感染した後に、自律神経系(ANS)に影響が出るとされていた。
8月発行のアメリカ病理学誌で、研究者はCNSよりも早くANSに感染が現れることが分かったと述べている。「われわれの結果は、BSEの初期の病因がどちらの経路もかかわっていることを明らかに示している。しかし同時ではない」と主任研究者Martin H. Groschupはいう。彼はドイツ、RiemsにあるFridrich-Loeffler-Institutに在籍している。
BSEの発症がわかるように、4ヶ月と6ヶ月の間の月齢の仔牛56頭に感染した牛のBSEを経口投与した。18頭の仔牛には、脳幹から採ったBSEに感染していないものを経口投与した。この研究では、BSEで自然に死んだ仔牛から集めたサンプルも含まれる。組織サンプルは腸からCNSそれにANSにわたり、感染後月齢16ヶ月から46ヶ月の間、4ヶ月毎に集められる。サンプルは免疫組織化学によって、プリオンの有無を検査する。BSE感染に反応しやすい実験用のマウスも使用された。
病気を発生させるプリオンタンパク質の明らかな蓄積は、ほとんど全ての腸のサンプルにみられた。BSEプリオンは、胸部、腰部に位置する脊髄の交感神経のANSにみられた。感染後16ヶ月で始まっている。さらに 仙骨の脊髄や髄質の副交感神経のANSでは、感染後20ヶ月でみられた。これらのサンプルのCNSの感染はわずかか、全くみられなかった。ANSの交感神経部は副交感神経部より早い時期の発症により広くかかわっている。臨床的な症状をみせる牛は、副交感神経系のサンプルより交感神経系により多く感染の兆候が現れる。脳幹にBSEプリオンが最も早く現れたのは感染後24ヶ月してからだ。しかし、感染後16ヶ月の1頭の牛の脊髄にみられた感染は、脳への経路が他にもあるのではないか、ということを示している。
「交感神経系の明らかな関与は、牛にBSEを発症させる重要な役割をしていることを物語っている。」とGroschp博士は記している。「にもかかわらず、この研究結果はBSEの初期の副交感神経ルートを仮定する以前の研究にも役立つ。」と。
研究結果は、BSEプリオンの脳への昇天する三つの神経経路があることを示している、重要順に交感神経系、副交感神経系それに脊髄である。「診断方法や食の安全基準に影響を及ぼす初期の潜伏期間での牛のBSE発症に光をあてた。」と。
ひとこと:牛の月齢30ヶ月以下に狂牛病はないという前提でEUやアメリカは行動している。日本で月齢21ヶ月の牛にBSE陽性反応がでたことは、不思議ではないことになる。交感神経系の経路からプリオンが脳に蓄積した。ということは、30ヶ月未満であれば狂牛病はないということにはならない。日本の全頭検査は正しい。が16ヶ月未満の牛は、BSE検査の対象から外してもよいということになる。
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