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石のつぶやき734 不条理の世界を選んだ日本人 [平成阿房伝]

11月16日(土)13 朝日新聞声欄より


     カフカの「審判」と秘密法案
無職 安東  諒

 「『まるで犬だ!』と、彼は言ったが、恥辱が生き残ってゆくように思われた」と結ばれるカフカの著名な小説「審判」。ある日突然現れた監視人の男から逮捕を告げられ、何の裁判に巻き込まれたのか訳が分からないまま追い込まれ、処刑される平凡なサラリーマン、ヨーゼフ・K。無残にも小刀で心臓をえぐられ、死んでいく時の最後の言葉がこれだ安倍政権が成立を目指す特定秘密保護法案鋸とを聞いたとき私が真っ先に思ったのはこの有名な場面だった。
 三権分立は民主主義社会の大原則だが、それは三者がうまく機能している間だけのことである。「行政機関の長」が恣意的に「機密だ」言い、裁判の中身さえも闇になれば、にっちもさっちもいかなくなる。それは、戦前に我々日本人が、嫌というほど体験したのと同種のことではないだろうか。
 「Kは言った。『これが私の身分証明書です、今度はあなたがたのを見せて下さい、それに何よりもまず逮捕状をね』。『冗談言うな!』と、監視人は言った」という場面もこの小説にはある。全てがこのようなひと言で片付けらられる時代が到来しないか。冗談ではなく、安倍政権には不安と恐怖を感じている。


ふたこと:私の恩師が11月22日亡くなった。カフカの薫陶を受けたのは先生からだった。出来の悪い不肖の自称弟子、カフカもまともに理解できないままであったが、世の不条理とは、当然やってくるのだ。戦前がよかった、というよりおのれが好き放題できるというのがこの法案なのである。明治から連綿と続く官僚の帝大支配を体現しようとするのだ。戦前がよかったと謳歌しながら、アメリカの奴隷になる。官僚の悲しい自己保身の行く末である。それを日本人全てが道連れにされるのである。  安倍を選んだのが、日本人なのだ。今頃になって騒いでも、もう遅い。司法も機能しない日本であるから、もう地獄しかない。いくら悔やんでも悔やみきれない。若い世代に何と言い繕うのか。 
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