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石のつぶやき1041 可視化は瑕疵 廃案しかない [平成阿房伝]

ふたこと:こんないい加減な「死刑を仕立てる」法案を、日共、社民党を除く議員は全員賛成した。3年後に見直すという付帯条項、見直されるはずもないだろう。不都合は放置。目に見えている。冤罪をなくすための取り調べの可視化ではなかったのか。当然100パーセント可視化、それが3パーセント。裁判員裁判のみに適用とか。  今市事件では、都合よく編集した自白の経緯のビデオを裁判の中で見せた。ほとんどの裁判員は、それによって判断したという。冤罪を加速する法律である。  どさくさに紛れ込ませた司法取引の導入や通信傍受の対象拡大、混乱を招くだけであろう。人権はすべて否定される法律ということを今一度認識すべきだ。
05月22日(日)16   愛媛新聞 社説


改正刑訴法成立へ 冤罪防止より公権肥大の危うさ


 司法取引の導入や通信傍受の対象拡大、警察・検察による取り調べの録音・録画(可視化)の義務化を盛り込んだ刑事訴訟法などの改正案が参院で可決された。昨年からの継続審議だが多くの問題点を残したまま、今週中にも成立の見通しという。強い失望と危惧を禁じ得ない。
 可視化の「初の義務化」という点だけをみれば一歩前進ではあろうが、対象は極めて限定的かつ恣意的。密室での取り調べや自白調書に過度に依存し、証拠改ざん事件まで引き起こした捜査・公判のあり方を猛省し、二度と冤罪を生んではならない―との、当初の刑事司法改革の理念からは大きく後退した
 にもかかわらず、警察や検察は「可視化すれば供述が得にくくなり、事件が解決できなくなる」と主張、バーター(交換条件)であるかのように司法取引や通信傍受を滑り込ませた。結果、いわば権力の「焼け太り」を許す内容にすり替わったことは、到底看過できない。
 可視化と捜査権限の拡大は切り離して議論すべきである。審議でチェック機能を果たせなかった国会の責任も重い。公布3年内の施行を待つまでもなく抜本見直しを急がねばならない
 可視化は、本来の趣旨から言えば全事件・全過程であるべきだ。しかし、今回の対象は裁判員裁判事件と検察の独自捜査事件に限られ、全体の3%程度。過去、多くの冤罪被害者が出ている痴漢や選挙違反などは含まれない。逮捕前や起訴後の「任意の取り調べ」も除外。その上「取調官が十分な供述を得られないと判断した場合」などは可視化しなくてもいいという例外まで設けられた曖昧な要件で捜査機関側の判断の余地を残しては、運用の透明性、公平性は全く担保されない。時間はかかっても「例外なき可視化」を目指さねば意味があるまい。
 一方で検察が近年、取り調べの録画映像を立証に積極活用し始めた点にも懸念が募る。調書の任意性の傍証のはずが、犯罪自体を証明する「実質証拠」として扱われ始めた。映像の衝撃は大きい半面、映像にない場面は無視され、加工の恐れも否定できない。裁判員らの心証に過大に影響する疑念は拭えず、かつての供述調書偏重から映像偏重に変わっただけ、とならないよう細心の注意が求められる。
 司法取引については、虚偽の証言で無実の他人を巻き込む新たな冤罪を生む恐れがある。また通信傍受は、憲法が保障する通信の秘密や思想・信条の自由を侵害する重大疑義がありながら、現状の4類型に詐欺や窃盗まで9類型を追加、大幅拡大されることに強い不安を覚える。要件も緩められ、通信事業者の立ち会いさえ不要な場合も。事後検証はほぼ不可能で、乱用への歯止めはないに等しい
 何のための「改革」だったのか、その本旨を忘れては本末転倒。信頼回復に値する一歩を踏み出せるかどうか、司法の姿勢を厳しく注視し続けたい。

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