SSブログ

石のつぶやき736 NHKは大本営発表の道具になる [平成阿房伝]

12月4日(水)13 朝日新聞文化欄
メディア研究者・松田浩


政権のNHK支配監視を 
      露骨な人事、情報統制の発想 

 公共放送NHKが、安倍政権の“政治的人事”で、危機に立たされている。さきの経営委員人事で、安倍首相が新任の4委員を自らに極めて近い、“安倍一族”で固めたためだ。
 半世紀以上、NHKと政府との関係をウオッチしてきたが、このような露骨きわまる人事はみたことがない。これは単なる「お友達人事」の域を超えている。安倍政権による”NHK乗っ取り人事”とでも名づけるべきではないだろうか
 12人の委員でなる経営委員会はNHKの最高意志決定機関で、会長の任命権限をもつ。その経営委に、憲法改正や歴史認識などで首相と政治信条を共有する委員達が送り込まれた。さしあたり、来年1月に任期を迎えるNHK会長人事の行方が気になる。だが、それだけではない。伝統的に権力の移行を”忖度(そんたく)”することにたけたNHKの体質を考えれば、原発、教育、歴史問題、集団的自衛権などを報じる際の現場への萎縮効果は計り知れない
 NHKの歴史は、政府・与党による介入の歴史でもある。だが過去、自民党は経営委員の人選には一定の抑制を見せ、国会同意をめぐり与野党間で大きくもめることはなかった。この流れを大きく変えたのが、第一次安倍政権だった。
 安倍首相は、菅義偉総務相(当時)とのコンビで首相を取り巻く財界人グループの一員である古森重隆・富士フイルムホールデングス社長(当時)を経営委員長に送り込み、「改革」を託した。古森委員長は自民党の要求通り受信料の値下げを断行する一方、編集権に踏み込む発言を行い、物議をかもしている。
 官房副長官時代の01年、従軍慰安婦を扱った番組の放送前に、NHK幹部らに持論を展開した上、「公正中立の立場で報道を」と指摘したのも安倍氏であった。
 参院選で一人勝ちし、国家のチェック機能が弱められたのをいいことに、政権の奢(おご)りは今、エスカレートしている。安倍首相は経営委員会人事をテコに、NHKの直接支配に乗り出したのである。
 時あたかも特定秘密保護法案が衆院で強行採決された。共通して底流にあるのは、国民に与える情報をコントロールしようという安倍政権の発想である。
 かつて新聞記者出身の前田義徳会長がNHKを去るにあたって残した言葉が、あらためて想い出される。「政府の介入に大きく余地を残した現行放送法制の問題点を、諸君、どうか真剣に考えてくれたまえ」
 ただでさえ、日頃から政権よりの報道が目につくNHKである。「みなさまの公共放送」が戦前と同じ「国家の公共放送」に変貌(へんぼう)することがないよう、視聴者・国民による厳しい監視の目が必要だろう。

ふたこと:安倍は岸にファシズムの要諦をたたき込まれている。マスコミ支配と治安維持法。マスコミはすでに手中に収めている。しかし完璧な大本営発表には、NHKの役割は欠かせない。そして秘密保護法案。  だがアメリカは、これを容認するが、それはアメリカの意志に沿った日本の金を自由につかえる銀行をつくったも同然だ。自立できなかった日本人の悲しい行く末である。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。