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狂牛病(BSE)情報803 イトーヨーカ堂 消えたウナギ、消えた信用 [平成阿房伝]

8月26日(木)10
  


      イトーヨーカ堂 消えたウナギ、消えた信用



 この事件の全容は全く分からない。逮捕者が出たので詳しい話が出てくるものと思ってそのうちブログにあげようと後追い記事を待っていたのだが、1週間以上経つが全くその気配がない。非常に大きな「食の安全」の問題なのだが、日本のマスメディアは動いていない。鳩山小沢潰しには必要以上にしつこく、これでもか、これでもかの大合唱だったが、このIYホールディングに対して全く動いていない。やはり大きな大きなお客様なのでしょう。大事なお客様に噛みつくなど日本のメディアにできるはずもありません。取材すらしていない。大本営発表を鵜呑みにして垂れ流しているだけで、記事に整合性がない。それを警察に取材して記事にしたという。イトーヨーカ堂には取材していない。

 数字がない  
  輸入時期は2005年としたのが読売、毎日、朝日。産経は2004年から2005年。
毎日には2003年から2005年に輸入という記事もある。輸入時期がバラバラ、何年にも渡れば輸入数量が異なってくる。だから数字は入っていない。輸入数量について言求したのは1,000トンで、時事と毎日。毎日はこの数字の輸入時期を2003年から2005年としている。3年で1,000トンか、1年で1,000トンかでは話が全く違ってくる。時事は輸入時期についての記述はない。

肝腎の数字「何年に何トン輸入した」のない記事がまかり通っている。不思議な世界である。さらに摩可思議なのは、イトーヨーカ堂が横流しした数量である。産経は2006年に14トン。
 ヨーカ堂が輸入した中国産冷凍ウナギのかば焼き約15トンを「輸入者 高山シーフード」と書かれた箱に詰め替え、2009年6~10月ごろ転売した疑いがある。(8/20朝日)
ウナギは05年から06年にかけて4トン、34トン、40トンと3回にわたって計78トンが、日洋経由で高山に転売された。覚書は2回目の取引のものとみられる。3回目は事実上、日洋を通さずにヨーカ堂から転売されていた。こうした取引の流れから、ヨーカ堂側は高山による輸入者欄の偽装を知った上で転売した可能性が高いとみられる。(8/19毎日)
ヨーカ堂は中国から輸入した約1000トンのかば焼きのうち78トンを、2005年7月から06年5月にかけ、3回にわたって約1億円で食品商社「日洋」(新宿区)に転売。高山シーフードはこれを約1億2600万円で購入した。 高山は購入した大半を売却したが、一部はさばききれず処分した。売却したうちの約15トンは、横浜市金沢区の食品販売業者などに1トン当たり約43万円で転売したという。
 78トンすべてを同価格で売却した場合、売却価格は約3340万円。高山は9000万円を超える赤字を抱えた可能性(8/18時事)
イトーヨーカ堂の持ち株会社セブン&アイ・ホールディングスなどによると、中国産ウナギの買い控えが進んだため、輸入したうち数十トンを日洋(東京・新宿区)を通じて高山に転売した。「転売したものは、自主検査でマラカイトグリーンが検出されなかった」としている。(8/17読売)


 転売した数量と時期がこうも違うと何を何のために取材したのか、分からない。毎日は時事電を使用した可能性が高い、だから数字が合う。時事の記事の金額がそこまで詳しく取材できているなら、出てくる疑問はひとつ。高山さんが損をしてまでこんなやばい橋を渡るのかということ。高山シーフードは年商40億円。1億円の損失は小さくない、常識的に考えても・・・。わらべや日洋はセブン&アイ・ホールディングスのためなら何でもするが、損をするようなことはしない。何せ東証一部上場企業ですから。

流通経路
                   
 横浜市の業者


                               薩摩屋-

 中国の業者-イトーヨーカ堂(日洋)-高山シーフーズ-             
サニーフーズ

           
ヤマトフーズ


何故こんなことが・・・、
  イトーヨーカ堂にとっては晴天の霹靂。まさかあのことはばれる筈はない、遠い過去の話だった。ところが、
ヨーカ堂側は自社名が表示された商品の流通に難色を示し、元社員らは06年5月ごろ、食品衛生法で明記が義務づけられている「輸入者」欄に「イトーヨーカ堂」と記された箱から、高山シーフードを輸入者とした箱に詰め替えたとされる。

 さらに転売された魚介類販売業「ヤマト・フーズ」(横浜市金沢区)は賞味期限が07年5月26日だったのに「09年11月23日」と改ざんし09年7月、横浜市中央卸売市場南部市場の3店舗に売ったという。

 場内のゴミ集積所で賞味期限が偽装された空き箱が見つかり、市保健所がヤマト社の仕入れたウナギを調べたところ、使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」を検出した。県警は09年11月にヤマト社などを不正競争防止法違反容疑で捜索。輸入元としてヨーカ堂が浮上し今年7月、ヨーカ堂本社を食品衛生法違反容疑の関連先として家宅捜索した。(8/17毎日)
コンビニの弁当は定価で売って値引きさせない安心安全をモットーとするセブン&イレブン、ヤマトフーズも消費期限を守ってくれてたらばれることはなかった。嗚呼ヤマト。


何故横流しをしたのでしょうか?そうせざるを得なかった!
 食品流通に詳しい宮城大の大泉一貫教授(食品流通事業論)は「大手スーパーが売れ残りを転売するのは聞いたことがない」としたうえで「転売が事実なら(トラブルになった時のため)名前を隠そうとしてもおかしくない」と指摘する。(毎日)
マラカイトグリーンは、緑色の合成色素で、我が国では合成抗菌剤として観賞魚の水カビ病の治療などに使用されていますが、養殖水産動物への使用は禁止されています。
また、食品衛生法上の規制としては、食肉、食鳥卵及び魚介類は、別途基準がある場合を除き、合成抗菌剤を含有してはならないと定められていますので、マラカイトグリーンが検出された食品は、流通、販売等することはできません。(厚生労働省) という話なので、
「転売したものは、自主検査でマラカイトグリーンが検出されなかった」(セブン&アイ・ホールディングス)としている。(8/17読売)
マラカイトグリーンについても検査で問題になった時期が2005年であったり、2005年から2006年であったり、各社によって違う。厚労省が公示したのが平成17年8月4日であるから2005年ということになる。輸入時期はこの2005年という記述が多いのは、これを根拠にしているからだろう。2005年以前だけにこの合成抗菌剤が使用されていたのか、今は全く使用されていないのかについてはひとことも言及されていない。マラカイトグリーンが自主検査で検出されなかったものを何故転売しなければならなかったのか。イトーヨーカ堂から転売されたヤマトのウナギには検出されて、イトーヨーカ堂のウナギにはこの合成抗菌剤が検出されなかった。

 なぜ輸入業者名からイトーヨーカ堂を隠蔽したのか?
 つまりヨーカ堂のウナギには転売しなければならない事情があった。マラカイトグリーンが自主検査で検出された、コンビニ弁当のように廃棄処分をしなければならなかった。コンビニ弁当は廃棄すれば、コンビニ店のオーナーが損をする構造になっている。ウナギを廃棄すれば、本店(セブン&アイ・ホールディングス)が損をする。これは一大事ということで日洋と手を組んで横流しを画策したということになる。それは日本の大企業にとって「してはいけないこと」だけは分かっていたようだ。だから輸入業者名を隠蔽するという姑息な手を使ったのである。
 ヨーカ堂を展開するセブン&アイ・ホールディングスは「当社としては改ざんを依頼したわけではなく、転売後についてはコメントしようがない。きちんと自主検査し、問題ないということで売った」としている。(8/17毎日)
「会社として、箱の取り換えを指示したことはない。デメリットしかない」と否定している。(8/17朝日)
セブン社は17日午前、「イトーヨーカ堂は05年の中国産ウナギかば焼きの輸入に関し、一切法令に反する行為は行っておりません。弊社グループでは、あらゆる業務活動において法令順守を基本に、公正な事業活動に徹しています」とのコメントを出した。(8/17朝日)
セブン&アイ・ホールディングスは18日、グループ会社のイトーヨーカ堂現職の女社員が逮捕されたことに対し、「お客さまにご心配をおかけし、社会を騒がせたことを深くおわびします」とのコメントを発表した。
 また、コメントでは「本件に関して、弊社では違法性はないものと信じておりますが、神奈川県警の捜査の行方を見守りたいと思います」としている。(8/18毎日)

セブン&アイ・ホールディングスのコメントは、トーンが変化しているのが分かる。ただ問題は時効になるのかならないのか、神奈川県警は時効を意識して今頃になっての捜査か。ヤマトは去年の11月、10カ月近く時間が経過している。

イトーヨーカ堂の犯したこと
 *検出されてはならない合成抗菌剤(マラカイトグリーン)入りのウナギを販売したこと。
 *輸入業者名を隠して、当該ウナギを偽って転売したこと。

 絶対やってはいけないことを堂々とやっておいて知らんぷりを決め込んでいた。マスコミにたれ込みがあっても握りつぶされていたことだけは確かのようだ。色々な記事を読んでみたが、怒りとか憤りをあまり感じられない他人事のような書きぶりなのである。
 我々消費者はこのような大企業に対してどんな行動を起こそう?


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