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狂牛病(BSE)情報305 土用の丑の日か、日本産なんてどこにある? [平成阿房伝]

2008年7月3日(木)08 毎日新聞 東京朝刊

    ウナギ偽装 つかめない本当の産地 
 関西の水産関連業者が中国産ウナギを「愛知県三河一色産」と偽装、販売した問題は、架空会社を介在させるなど農林水産省が「極めて悪質」とする巧妙な手口で実行された。背景には、消費者の強い国産志向と、需要を満たせない国産ウナギの供給量不足がある。一方、止まらない食品偽装の連鎖を受け、農水省は日本農林規格(JAS)法に基づき品質表示基準を厳格化したが、自民党からは罰則強化の動きも出始めている。

 ◇「里帰り」を国産扱い/産地証明は検証不能/中国産の品質も向上
 ウナギの偽装は02年ごろから目立ち始め、中国産商品への信頼が揺らいだ昨年以降は各地で表面化している。

 愛知県一色町は83年から、ウナギの市町村別出荷量日本一。知名度の高さゆえに、今回も名前が使われた。だが、同町でも地元漁協が出所不明のウナギを一色産などとして72トン販売したとして6月、県の指導を受けるなど、業界をめぐる状況は複雑と言える。

 一色のケースで偽装に利用されたのは「里帰りウナギ」。JAS法に基づく品質表示基準では、最も長く生育した地域が原産地となる。日本で育てた幼魚を暖かい台湾などへ運んで短期間で成魚に仕上げ逆輸入しても国産と表示できる。

 漁協は昨秋、さいたま市の商社の働きかけで幼魚18万匹を初めて台湾へ輸出。台湾から戻った時には成魚26万匹に増えていたのに、日本産との商社の産地証明を「うのみにした」として売っていた。

 この件は「日本で育てた期間が長かった」(漁協)としているが、そうでない場合でも商社が保証する産地証明に「日本での養殖期間が長い」との記載があれば、外国産を故意にまぎれさせても検証は不可能に近く、「偽装の温床」(農水省)とされている。

 JAS法に基づく立ち入り検査も「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と規定。取り締まりは厳しいのが現状だ。

 九州では07年9月、福岡、熊本、宮崎、鹿児島の十数社が外国産を国産と偽装表示して販売したとして、農水省と4県が調査。今年2月には静岡市の食品総合商社「東海澱粉」が、02年からの約5年間で台湾・中国産を国産と偽装したウナギ1312トンを販売したとして、鹿児島県警が5月、関係者を逮捕した。

 水産庁によると、国内のウナギの年間供給量は約10万トンで、国産の比率は約2割。7割が中国産、1割が台湾産だ。台湾産ウナギを鹿児島産として売ったことのある西日本の業者は「4、5年前から国産の需要が高まっている。偽装が続いていて当たり前だと思っていた」と打ち明ける。

 また、背景には中国産ウナギの品質向上もあるとみられる。岡山市の水産業者は「今は業者でも国産と外国産を見分けられる人は少ない。まして小売店はファクスで注文を出すだけ。どんなウナギが積まれているか分かるはずがない」と証言する。【石原聖、阿部周一】

 ◇担当者も驚く巧妙手口
 偽装は6月25日に農水省が発表し明るみに出た。偽装ウナギを販売したのは徳島市に拠点があるウナギ輸入販売会社「魚秀(うおひで)」と、神戸市の水産物卸売会社「神港魚類」。農水省はJAS法違反で改善指示を出したが、その手口と構図は調査担当者も驚く複雑さだった。

 農水省の調査や魚秀の中谷彰宏社長(44)によると、偽装を計画したのは今年1月。売れなくなった中国産の在庫約800トンを抱え「売りさばいてしまいたかった」と言う。

 具体的な計画は魚秀福岡営業所長(41)と、取引のあった神港魚類のウナギ担当課長(40)が相談。「有名で売れると思った」一色を産地とし、製造者を架空の「一色フード」とすること、商社2社を介在させ出荷元を隠すことなどを決めた。ウナギの詰め替え作業などは、仲介者の紹介で高松市内の冷蔵庫内で行われ、計256トンを魚秀が神港魚類に引き渡した。魚秀側は一取引先を装う意図で一部(25トン)は買い戻し、うち15トンを自ら販売した。

 農水省の立ち入り調査前の5月27日、中谷社長が神港魚類の課長に現金1000万円を渡すなど不透明な金の流れも判明した。

 ◇「JAS法ゆるい」--専門家批判
 JAS法は消費者保護が目的の法律だ。加工食品は原材料名や賞味・消費期限、保存方法など、生鮮食料品は原産地などの表示義務を定めている。

 しかし、昨夏に食品加工卸会社「ミートホープ」が牛ミンチに豚や鶏などを混ぜて別の加工業者に出荷していた事件を受け、農林水産省はJAS法の品質表示基準を改正。4月から、加工食品については、製品の製造・販売業者だけでなく、一連の加工に携わるすべての業者間の取引にも原料原産地などの表示を義務付けた。ミートホープ事件では行政指導しかできなかったからだ。

 業者間取引も改善指示や命令の対象。従わなければ懲役(1年以下)や罰金(法人は1億円以下、個人は100万円以下)が科される。

 しかし、罰則まで3段階を踏まなければならず、専門家からは「規制がゆるい」との声が上がっている。

 若林正俊農相は6月24日の会見で「加工食品の表示について信頼性を高めることを徹底したい。制度よりその運用、実施の問題」と規制強化に否定的な見解を示している。

 しかし、食品表示に詳しい垣田達哉・消費者問題研究所代表は「業者はもうけるだけもうけ『ごめん』で済んでしまうから、偽装が繰り返される」と指摘。自民党も、直ちに処罰する「直罰」規定の導入を検討し始めた。【奥山智己、勝野俊一郎】

ひとこと:何も信じられない世界、これでもか、これでもかと出てくる日本、誰かがいった美しい国。ウナギだけではないと考えるのは正しい。全ての分野で嘘、紛い物が跋扈している。
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