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石のつぶやき335 台風12号の被害は、人災 [平成阿房伝]

9月14日(水)11 毎日新聞


<台風12号豪雨>ダム事前放流せず 洪水対策規定なく


 台風12号で氾濫した熊野川上流域にある11ダム中6ダムを持つJパワー(電源開発、東京都中央区)が、水系で最大の「池原ダム」(奈良県下北山村)などで洪水発生に備えて空き容量を確保する操作「事前放流」をしていなかったことが分かった。さらに、 最下流部にある別のダムでは大雨・洪水警報が出た後で本格的放流を始めており、増水と放流が重なった。地元自治体からは「ダム放流は人災」などとする声もあがっている。 紀伊半島南部は多雨量地域で、ダム建設の適地としてJパワーや関西電力などが1958~66年、次々と発電用ダムを建設した。一方、治水ダムは建設されず、洪水対策は課題とされたままだった。 

国が設置した有識者会議「熊野川懇談会」などの資料によると、洪水の危険が高まった際、Jパワーは池原ダム(有効貯水量約2億2000万トン)と、2番目に大きい奈良県十津川村の風屋ダム(同約8900万トン)の大型2ダムの水を放流し空き容量を確保、上流から来た水をためることが可能、としているが、事前の取り決めなどはない。懇談会は当初、発電用ダムによる治水効果を盛り込んだ報告書を作成する予定だった。しかし、09年にまとまった最終的な報告書では見送られた。

 Jパワーなどによると、今回の豪雨の際、両ダムは洪水に備えた事前放流をせず、水位を維持するため放流量を徐々に増やした。最下流にある小森(三重県熊野市)、二津野(ふたつの)(十津川村)の2ダムも事前放流はほとんどせず、毎秒1500トン以上の本格的な放流を開始したのは、それぞれ1日午後4時半と2日午前11時50分だった。二津野ダムではその後、順次放流量が増え、4日午前4時には毎秒約8900トンに達した。

 この間、紀伊半島南部では8月30日午後から台風12号に伴う雨が降り始め、和歌山県新宮市と那智勝浦町で9月1日午後1時50分に大雨注意報が出され、2日午前4時15分に大雨・洪水警報が出されている。2日午後9時には二津野ダムから約18キロ下流にある新宮市熊野川町日足(ひたり)地区で熊野川があふれた。

 一方、古座川水系にある和歌山県所有の多目的ダム「七川ダム」(古座川町)では、1日午前10時から事前放流を始め、結果的に古座川では洪水が起きなかった。今回の氾濫に関し和歌山県新宮市議会は「ダム放流は人災」などとして同社に説明を求めている。

 Jパワー広報室は「運用上、洪水調整をする規定はなく、洪水調整を目的とした放流はしていない」としたうえで「ダムの水位を維持するための放流はしたが、(水の流入が多く)結果的に水位は上がっている」と説明している。

 熊野川懇談会発足当時の委員長だった江頭進治・政策研究大学院大客員教授(河川工学)は「川で利益を上げている以上、事業者も社会的責任を果たすべきではないか」と指摘している。【藤顕一郎、日野行介】

ふたこと:前からこの問題はあった。ダムの耐用量を超えるのは危険だということをもって、放流することを繰り返している。今回のような降水量は、考えてもいなかったとダムの管理するものはいう。ダムの崩壊を防ぐには放水しかないと・・・。放水すればどういうことが起こるかという想像力の問題で、そのためにはあらかじめ台風などは予想できることだ。その前にダムの水を抜くのは当然のことといえよう。それをマニュアルはなかったというような物言いには違和感を感じる。つまり、何も考えていなかった、まさしく人災なのだ。
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