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狂牛病(BSE)情報967 狂牛病は脾臓に潜んでいる [平成阿房伝]

1月26日(木)12  Jo Marchant NATURE


   プリオン病は脾臓の中に潜んでいる  
  英国に沈黙のヒトの狂牛病感染者が何千人といる

 BSEや変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)は、今まで考えられていた以上に簡単に種の間を移動する。今日発行されたサイエンスは、他の種からプリオンを注入されたマウスのなかには脳に影響することもなくプリオンが脾臓の中に複製されるということを示している

 英国の何千人ものひとが手術や輸血を通じて他の人に致命的な病気を移す可能性のあるプリオン病の沈黙のキャリアーであることをこの研究は喚起している。

プリオンはプリオンタンパク質とよばれるタンパク質が間違ってたたまれたものが元になった感染しやすい病原体である。変形した型に変換された通常のプリオンタンパク質の分子は脳に堆積し、溶解性のないかたいかたまりになる。そして致命的な結果となる。
 
感染した動物の脳のプリオンの状態と同じように、臨床症状を把握することによって種の間を交錯感染のし易さを、今までの研究は判定してきた。

  バリアーを超えて

しかしプリオンは脳に蓄積されるだけでなく、リンパ組織(たとえば脾臓、扁桃や虫垂)にも影響する。 で、Vincent Beringueは仏の農業研究所にある国立のプリオン研究者であるが、仏と彼の研究者は、脳以外がみられるプリオンタンパク質のヒューマンヴァージョンや羊バージョンを表すように遺伝的に変換されたマウスを使った。

 研究者はエルク、ハムスターや牛のプリオンを遺伝子組み換えしたマウスに注入した。(交錯するには困難と思われた)すべての種のバリヤーのその後を一定の間隔でマウスの脳や脾臓のプリオンを観察した。

 予期していたようにマウスの脳には見つけられるべきプリオンが見あたらなかった。ヒトのプリオンタンパク質をBSEプリオンとともに接種された後、死期を迎えたマウスの脳には問題となるべきプリオンは43例のうち3例しか見つからなかった。しかしリンパ組織については、また別の出来事があった。41例の脾臓のうち26例にプリオンの陽性反応を示した、が、マウスは全くBSEの臨床的な症状をあらわしていなかった。
 これは脳細胞に転移するより簡単に種を超えてリンパ細胞に転移し易いことを意味する。そのことをヒトの場合に置き換えて推測すれば、脾臓のようなリンパ細胞に感染して、症状をあらわさない多くの人たちがいるということになる。 
このキャリアーは他の人たちを感染させることがあるということ、たとえば輸血、臓器提供、あるいは手術の器具などによってである。ヒトからヒトへ一度感染すれば、理論的には感染は脳に影響を与え、致命的なvCJDを引き起こすことになると、ロンドン大学プリオン研究の第一人者John Collingeはいう。主な適応―受け取ったBSEタンパク質はヒトのプリオンを形成する引き金となる―は起きてしまったといっている。

 1980年代の英国の狂牛病とよばれる牛のBSEの流行は、肉生産者、手術や歯科用の器具に厳格な制限に結びついた。ヒトの狂牛病であるvCJDは、1990年半ばに初めて診断された。ヒトに流行するという絶望的な恐怖に陥れた。しかし200人この病気で死んで後は尻すぼみとなった。

 しかしながら、摘出された虫垂のサンプルの二つの最近の細胞の調査によると、英国の4000人に一人はvCJDのキャリアーということになる。 Beringueの発見はこの結果を説明に足るものとした。これは英国で20,000人に15人がこの病気の潜伏期であると推定されるとCollingeはいう。たぶん彼らは主にリンパ節に限定された感染していると彼はいう。

 Collingeは警告する、生検や手術で摘出した細胞を分析することによって英国のプリオン感染率を評価するあらゆる努力がなされねばならないと。そしてvCJDの血液検査が沈黙のキャリアーを追跡できるかを検証しなければならない。たぶんこれらの人々は発症しないだろうと彼はいう。しかし、これらの人々は他者に危険をプレゼントする人たちであることは確かなことである、と・・・。  

ひとこと:ヒトの狂牛病は、患者の死後、脳のサンプルを検査することでしか判定されないとされてきた。それを根底から覆す研究である。脾臓や虫垂などの細胞を検査することがいかに重要であるかを示している。沈黙の狂牛病が人々の間に何の前触れもなく、行き交うことになる。
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