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石のつぶやき781 安倍が閣議決定、集団的自衛権 [平成阿房伝]

6月30日(月)14

これだけは杓子定規の方がいい憲法の字句素直に読みて    櫻田 稔

父の日も知らず征きたるままの父              坂田美代子

何れも6月30日朝日歌壇、俳壇より

 叔母の葬儀を終えて帰ってきた。叔母の死は「いとこ会」の最後を演出する結果と相成った。
「私、認知症になったみたい、もう電話はかけられない」と言ってきた。それ以降音沙汰はなく、今回の訃報であった。酸素マスクすら不要と言い残していた。
 叔母の夫はノモンハンの、数少ない生き残りであった。私の父はインパールの生き残りであった。数多い戦死した親戚の中で、奇跡に近い生き残りだった。その叔父は1972年頃、痴呆の症状が現れた。今では認知症とされているが、その当時は「呆け」であった。誰も気付くことがなく、後から思えばそうだったのかということだった。叔母は長い長い凄惨な日々を送ることとなった。その叔父は1983年に亡くなった。これほど長い看護の例はまたとない。
 私の父母は叔母の近くに住んでいたが、空襲で焼き出され住むところがなくなった。母は従軍看護婦であった。召集を解除されて帰ってきたが住むところがなく、仕方なく実家に戻ることとなった。父は敗戦後1年たって帰国し、母の実家の田舎に住むこととなった。
 たまたま空襲を免れた人もいる。ただ軍人、市民を含めて300万人以上が死んだのである。原爆の実験にもされた。それが戦争なのである。
 「国民の生命、財産を守る」というが、絵空事にしか過ぎない。前の戦争が国民、庶民にもたらしたものは何であったのか。国民の生命、財産の喪失でしかなかった。アメリカに逆らえば、こうなるのだという黄色人種の悲しい宿命であった。今回の集団自衛権の憲法解釈は、アメリカの意図とも違う。アメリカは、日本から金をせびるために集団的自衛権を持ち出しただけだ。現実に戦争させる能力など期待していない。かえって面倒なことになるのだ。それを一歩踏み込んだ安倍の思惑は、弊害となるであろう。しかし歴史は動いてしまった。

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